待ちぼうけの甲斐あって



「進!遅いわよ!!」
「ご、ごめん、碧!…寒かっただろ?」
「全くよ、すっかり手が冷たくなっちゃったわ!」
「え…大丈夫か!?」
「…あっ」
「…ホントだ…こんなになるまで待っててくれたんだ。
本当にごめん…それから、ありがとう…」

「…う…ん…」
「あ…ごめん、手…勝手に…」
「あっ、いいの!このままで…いい…」
「碧…」
「…進の手…おっきいのね」
「そりゃ、まぁ…男だからね」
「それに…すごくあったかい…」
「碧の手が冷たいから、そう感じるんだよ」
「ううん、それだけじゃない…それだけじゃないわ…」

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