「はじまり」


 もうすぐ私の二度目の旅が終わる。
一度目の旅は、「あの人」を「元の世界」に返す為…
今度の旅は、私が「あの人」のところへ行く為……
硬く閉ざした私の心を開いてくれた「あの人」のところへ……

女神は私の想いを聞き届けてくれるだろうか?
そして、「あの人」は私を受け入れてくれるだろうか?
不安が鎌首をもたげる…
何所からか声が聞こえてくる……
『無理だよ,無理だよ。
 あなたの想いが本物なら「あの時」「あの人」を
 止めたはずだもの。
 無理だよ,無理だよ。
 「あの人」はあなたじゃなくって、
 「元の世界」を選んだんだもの。
 無理だよ,無理だよ。
 だから
 もう一度
 心
 閉ざし
 全てに
 背を向け
 希望なんて
 持たないで
 悲しみなんて
 感じないで
 生きて
 いこうよ
 ………』
昔の私が囁く。

そう、其の方が良いのかもしれない。
其の方が…

指先が何かに……
「あの人」がくれたネックレスに触れる。

『大丈夫だよ。』

そんな「あの人」の声を聞いたような気がする。

心閉ざすなら,「あの人」に拒絶されてからでも遅くは無い。
いえ、「あの人」が開いてくれた心だもの。
「あの人」が私を受け入れてくれなくても、
女神が私の想いを聞き届けてくれなくても、
もう一度閉じることなどしたくはない。

もうすぐ私の旅が終わる。
いえ、もうすぐ私の新しい旅がはじまる。


ほしや美紀さんのHPでキリ番を踏み、リクエストして描いて頂いたイラストです!
月と楊雲、なんと見事にマッチした組み合わせ…(うっとり)切なげな表情にメロキュンです〜vv
更に素晴らしいポエムが……(浸り中)実に楊雲らしく、感動的です! (うめ吉)

★おお〜やはり楊雲の神秘的な雰囲気には月が良く似合いますねぇ。星空も良い感じです。そして
夜空を見上げながら想う楊雲の胸には思い出の天紅石が輝いているのでした・・・・ ! (小太郎)

戻る