クミンのプレゼント奮闘記(臙龍悠耶さん・作)


悠耶さんより注:上の部分と下のクミンの独り言は、下部分から順に、空行に入ったら上部分へ。
また空行に入ったら次は下部分の続きへと順番に行くと時間軸はあいます。

「あの……うめきち様……」
「やぁ、クミン。いい天気だよね」
「そうですね……この国はいつも明るくて…私、好きですよ」
「キミにそう言ってもらえると、改めてこの国を継いでやるって気になるよ」
「あのォ……今回の冒険、ぜひともこのクミンをお仕えさせてくださいませ!」
「…………え?」
「……だめ、ですか……?」
「いや、そんなこと言われなくても……誘いに行くつもりだったんだけどな」
「では!!」
「ああ、今週もよろしく頼むよ」
「うめきち様……もったいないお言葉です。この身を投げ打ってご奉公いたしますネ」
「それじゃ、木曜日に」
「さようなら、うめきち様」

「……しかし……なんでまた今回に限ってあんなに着いてきたがったんだろう……」

「この格闘大会も、5回目ですね……」
「ああ……今度こそ、優勝したいな」
「ご心配なく。このクミン、うめきち様を表彰台のてっぺんまで昇らせてご覧にいれます」
「ははっ、ありがとう。でも、クミンの方こそ怪我しないように気をつけるんだよ」
「うめきち様……」
「よーし! やるぞ!!」
「はい!」

「さすがに、ヤロー族の戦士は強いな……」
「あのォ…うめきち様、ニンジャの丸薬です」
「丸薬? 傷薬みたいな物?」
「そうです。あのォ…よろしければどうぞ」
「……いや、いいよ」
「うめきち様?」
「さすがに、負けてもないのに回復するのは反則だよ」
「で、でも……」
「正々堂々やって、それで負けるくらいなんて事ないよ」
「…………」
「まぁ、ちょっと悔しいけどね」
「負けません! うめきち様は正しい心を持ってらっしゃるンですから!」
「クミン?」
「ですから、今回こそ優勝いたしましょう!」
「ははっ、そうだね」

「くっ、やっぱり強い……でも、負けないよ!」
「うめきち様、ここは私に!」
「すまない、クミン」
「はぁっ! 忍法霞切り!!」
「ぐはぁっ!!」
「うぁぁっ!」
「今です!」
「えぇぇぇいっ!!」
「勝負あり〜!」

「優勝……しちゃったね」
「優勝、ですよ。でも、一部の隙もないたたずまい…さすがうめきち様」
「そんなことないよ。クミンがいてくれたから、だよ」
「うめきち様……」
「あ、でも……なんで今回、格闘大会なのにあんなに着いてきたがったの?」
「それは、うめきち様に優勝をプレゼントするためですよ」
「プレゼント?」
「ええ、ちょっとニ、三日遅くなりましたけど……」
「…………あっ!」
「お誕生日、おめでとうございます」
「すっかり忘れてた……」
「ハーブランドに帰ったら私、ケーキをお作りしますね」
「ありがと、クミン」
「ハッピーバースデー、うめきち様」

 


「え〜っと、うめきち様の誕生日は……あ、この日は冒険……
あぁ! しかも普通の冒険では無く格闘大会!?
……いえ、今までの大会では惜しくも優勝を逃しているんだし……
 うめきち様に、優勝をプレゼントしちゃいましょう!」

「ふぅ、なんとかお誘いいただけたし……
 あとは、正体がばれないように頑張らなきゃ」

「私の心配なんか、なさらなくてもいいのに……
 案外、怪我したふりって大変だから、怪我しないようにしてるのに……
 ……生身の人間が私に傷をつけれたら苦労ないのに……」

「この丸薬……傷を治すだけじゃなくて、ちょっとドーピングも入ってたのに……
 でも、さすがはうめきち様。
 どんな苦境においても正々堂々戦われるなんて……」

「ふぅ……逃げるのって、いつも大変だなって思ってたけど……
 力をセーブして戦う方が大変なのね……
 あのヤロー族のお二人、金色に光る目にたいしてトラウマを持たないといいんだけど……」

「喜んでいただけてよかった……  
 でも、気をつけないと。いつ正体がバレるかわからないんだし。
 そう言えば、ウォーとルダーのやつは倒したけど、あのマンダー坊やだけはまだ見つかってないのよね……
 ふふっ、うめきち様に倒してもらっちゃおーっと」


またもやうめ吉の誕生日プレゼントにいただきました!
クミンがうめきち王子のために頑張る健気な姿がたまりませんvv
ピナータの独白も良い!この二面性がクミンの魅力なんですよねぇ〜♪
ちなみにここに出演しているうめきち王子と本物のうめきち(わたし)は
別人です(笑)わたしはこんなに爽やかないい人じゃないですから(おい)

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