夕空の想い・あとがき


クリア回数によって見られるオープニングデモの中にヨハンとラナのやりとりがあるという話は
以前から耳にしていたのですが、最近そのデモの全てが載った本を入手して、疑問を抱きました。
VSザコ兵を除けば、因縁関係や血縁関係、ストーリーに関するもの、あるいは恋人会話がある二人
ばかりなのに、何故ヨハンとラナなのか…と。もちろん、恋人にすることは可能なのですが、
他が会話のある二人から選ばれているだけに、この組み合わせはとても不思議に思えたのです。
更に、ラナの台詞にも最初違和感を覚えました。あくまでわたしの場合ですが、ゲーム中では
ラナに対し、芯は強そうだけど誰に対しても優しい…という印象を強く受けたので、
あのデモのような少し手厳しい台詞が出てくることが考えられなかったんですよ。
聖戦キャラは書き手によって同じキャラでも性格が様々な場合が多いですが、
ラナというキャラはそれが特に顕著だと感じます。ラナが毒舌キャラになっているのも
時々見かけますが、ああいうデモがあるのならその解釈もありなのかな…とは思います。
だから、それを否定するつもりはありません。(ただし、悪意がない場合に限る)
でもわたしはやっぱり、そうは思えなかったんですね。

だから、「“わたしの中のラナ”だったら、ああいう台詞を言うならどういう状況で、
何を思って口にするのか。その相手がヨハンなのは何故か」ということを表現してみたくて
この話に挑戦しました。そして、わたしはセリラナ好きなので、あくまでヨハンとラナの関係は
友人で、セリラナに繋がるように仕立て上げてみました(笑)わたしはラブラブ話も好きですが
友情話も好きなんです。(ラナとユリアの友情も好きなので、その描写も入っているのです)
だけど、『男女の友情』ってのはなかなか描く機会がありませんでした。しかし今回書いてみると
かなり楽しいことが分かりました!今まであまり描いたことのなかったヨハンというキャラを
深く考えてみるいい機会にもなったような気がします。

タイトルにはやはり最後まで悩みました…わたしは小説を書くと、ほぼ毎回タイトル決定が
最後になり、それでしばらく頭を抱えます。シンプルでありながら色々と深い意味を持つような
タイトルが理想なのですが、なかなかムズかしいものです…。このタイトルには一応、
夕空の中でヨハンが決意を新たにするから…という意味と、ラナを夕空に例えて、その想い
(セリスへの恋心、ユリアへの気遣い、怪我人がいなくなって欲しい、戦いが早く終わって
欲しいという願い…などなど)を書いたから、という意味をこめたのですが…
うーん、分かりにくい…かも(汗)

ちなみに、セリラナは思いっきり主張してますが、ヨハンの想いがその後ラクチェに
届くかどうかは…ご想像にお任せします(笑)

(06/9/19)


戻る