フェンネルを我が手に!!・前編(臙龍悠耶さん・作)
やっと……やっと人間サイズに戻れた……
くぅ〜、結構かかっちゃったじゃないか!
この前が5月で……今は?
え〜っとカレンダーカレンダーっと……
………………
9月っ!?
それも1日か……
確か3日から天空の塔にセルリアック将軍が出るんだよな……
ちょうどいいや。
もともと今回のターゲットはフェンネルにするつもりだったんだし。
さ〜って、今回はどうしようかな……
前回のこともあるから、今回はちゃんと規定の日にフェンネルを誘お〜っと。
お〜い!フェンネル〜!!
「あ、こんにちわ、悠耶さん」
何も言わないで今週の冒険はボクと一緒に来てくれ!
「ごめんなさい、今週もお断りします」
何でぇーって……今週もかい!!
ん?って事は……もしかして……
誰か他の王子に昨日の夜依頼に行ったのか!?
「はい、リンデン王子様にお願いに行ってまいりました」
くっそぉ〜!!何であんなガキのところに……
あ、逆に考えよう。
ガキのところだから、夜中に男性の部屋に行ったと言っても何もなかったはずだ。
っつー事はまだ彼女は……
「何を悩んでるんですか?」
んあっ!?
いや……ほら、持病なんだよ。
突然立ち止まった道端で頭抱えて病的な妄想に明け暮れるって言う……
「……………………
とりあえず今回も冒険のお誘いは受けられないんです。
またの機会に来ないでくださいね」
……ひでぇ……せっかくボケたのに返してくれない上にそんな回答を……
ま、どれだけ言われようと、諦めずに来るから。
んじゃまたね!
「あ、はい。さようならび大名」
………何じゃそりゃ?
さて、フェンネルにはフラれたわけだが……
ここで諦める悠耶君ではないのだぁっ!!
いつものように原因から追求していけば、彼女を落とすための方法が解るはず……
っつー事で原因を追求するためのマシンを……5秒で完成。
んじゃ、あとは解析がすむまで……
ん?そう言えば「ならび大名」って……
いつものようによく解らんとこでボケる娘だな……
え〜っと国語辞典は……ないな……
しょうがない……っと、1秒で出来た。
ならび大名ならび大名っと……あったあった。
「並び大名:その場にいるだけで役に立たない人」
……役に立たないだとぉ!!
あたってはいるけど……ひでぇ……
こうなったら意地でも落としてやる!!
と言うことで……
ボクはマシンの解析索結果から考えてただ今……
高度15000mに対空中……
ちなみにボクの眼下にはと言うと……
「グハハハッ!愚かな人間どもよ!!」
……まあ、セルリアックがいるわけで……
と言うことでここで今日の献立……じゃない。
今日の悠耶的目的達成の為ための殺人計画のご紹介。
言わなくてももう解ると思うけど……
この高さからセルリアックに向かって落下!
で、位置エネルギーをこれだけ注ぎ込んだ攻撃でセルリアックを粉砕。
ちょうど上がってきたフェンネルにボクが倒したことをアピール!
そりゃさ、普通に倒してもいいけど……
それするとボクは無傷だから、
これじゃあ「キミのために命も惜しまずにボクは戦った」って言っても説得力ないしね。
一番楽なのは天空での戦争の時にセルリアックを倒してしまえばいいんだけど……
そうすればフェンネルは地上に降りてくる必要なかったわけだし、
あの時にボクがセルリアックを倒していれば彼女はもしかしたらボクのものだったかも知れないってのに……
時間移動通路は充電中だし。
結局、こういう方法しかないんだよなぁ……
さて、今日が5日だから……
あと丸一日しないと誰もこの塔に来ないじゃん!!
こいつはちょいと誤算だな……話し相手がほしい……
「俺が話し相手じゃ不満か?」
おっ?これはちょうどいいところに……
よくぞこんな高度15000mに来てくれたね、セルリアック……
セルリアック!?
「これくらいの高さに飛べないで、どうやって天界と地上を行き来するんだ?
後は上を見上げたらお前がいたってだけだ」
……なぁ、同盟でも組まないか?
お前はフェンネルが邪魔なだけだろ?
ボクが彼女を落とせば彼女から飛行能力を奪うくらい、たやすいことだし。
「いや、結局王女が地上にいるんじゃぁな……
俺の最終目的は天界も地上も俺の物にすることだ!」
地上にはボクがいるんだよ?
「…………解った。天界だけで了解しよう」
OK!
んじゃ、今からボクがプランを立てるから、それに合わせて当日は動いてくれよ。
と言うことでただいま9日。冒険は4日目になりましたが……
いまだに誰も「!」マークまでたどり着けません。
「誰のせいだ、誰の」
ボクに決まってんじゃん。
「何をやった?」
え〜、そんな疑惑の目で見なくてもいいじゃん。
ちょいとパネルに細工して……
ダイスゴーレムとサイコロ大魔王、シーフと巨人パラクレス、
魔法使いとドッペルくん4種を入れ替えたんだけど……
「おい……」
いや、ゆっくりだけど順調に登ってくるヤツもいるよ。
リンデンとフェンネルだ……う〜ん、計算通り。
「いや、バジルがリンデンを追い抜いたぞ」
御心配なく。
この塔の4階に、何であんなにフェンネルの石像があるのかは知らないけど……
ちょっと活用させてもらったから。
「やったぜ!ここが最上階一歩手前だ!」
「そのようですね……なら、早く登ってもらいましょうか?
純潔の翼が私を待ってるんですから」
「そう言えばその純潔の翼……何に使うんだ?」
「……聞きたいですか?もちろん、聞いたら協力してくださるって事ですよね」
「あ、いや……その……ん?このフェンネルそっくりな石像……今動いたような……」
「動く石像!?これは持って帰って調査してみたいかも……」
「やっぱり動く!!し、しかも……4体とも!?」
−−「ハレルヤフラッシュ!!×4」
「そんなバカなぁ〜!!」
はい、以上「体当たり!バジル王子の天空の塔4階レポート」でした。
「あの石像にいったい……」
あ、気にないで。
本物のフェンネルがあこを通るための鍵になってるから。
な〜に、別に悩むほどのことじゃないよ。
ほら、王子のドッペルくんと同じ原理で動いてるんだし。
「フェンネルのドッペルか?」
そう言うこと。
ほら、フェンネルがもうエレベータに乗るよ。
作戦通りに行こうよ。
「そうだな。これが成功したら、こっちの件も頼むぞ」
任せてよ!!