マルノ・カッポン今昔物語・1


むか〜し昔、あるところに、じじマルノとばばマルノがいマルノ。
じじマルノは山へ芝刈りに、ばばマルノは川へ洗濯に行くのが日課だったのでマルノ。

この日も、じじマルノは山へ芝刈りに行くことにしマルノ。ばばマルノはじじマルノが
戻るまでお留守番でマルノ。じじマルノは出かける前にばばマルノに言いマルノ。
「いいでマルノ?オオカミが来ても絶対入れては駄目でマルノ」
「分かりマルノ、いってらしゃい、じじマルノ」

ばばマルノは、じじマルノが帰ってくるまでお留守番でマルノ。
ぎっこんばっこん、機織りなどをしていると、戸を叩く音が聞こえマルノ。
「どなたでマルノ?」
「オオカミマルノでマルノ。ばばマルノさん、美味しいリンゴはいかがでマルノ?」
留守番中のばばマルノにオオカミマルノがドアの外から誘惑の声をかけマルノ。
「いや、要らないでマルノ」
「そんな…(チッ)あ、それじゃぁ豆はどうでマルノ?」
「ま、豆?」
「コレを埋めて育てると天まで届くほどに伸びマルノ」
「ぬ、ぬぅ……(ちょっと欲しい)」
天まで届くほどに育つ豆が欲しくなったばばマルノは、ついついほんの少しだけ扉を
開けてしまいマルノ。
瞬間、オオカミマルノはその隙間へ無理矢理に入り込みマルノ。
そしてばばマルノの綺麗なおべべをはぐとそれを自分が着て、ばばマルノには
みすぼらしい服を着せて村はずれの木につるしてしまいマルノ…。


オオカミマルノはばばマルノになりすまして、何喰わぬ顔で機織りを始め、じじマルノが
戻るのを待ちマルノ。一方、木につるされてさめざめ泣いていたばばマルノの元に、
怪しいローブをまとったマルノが現れマルノ。
「可哀想なばばマルノ、お前を舞踏会に行かせてあげマルノ」
「……はっ?」


何も知らずに帰ってきたじじマルノ。
「ただいまでマルノ、ばばマルノ。機織りでマルノ?」
「え、ええ…そうなんでマルノ(裏声)」
ばばマルノになりすましているオオカミマルノは、気付かれないよう返事をして、じじマルノに
攻撃を加えるチャンスをうかがいマルノ。しかし、その時じじマルノが叫びマルノ。
「ば、ばばマルノ!!」
(…やばい!!気付かれマルノ!?)
「この布…なんと美しい布でマルノ!!」
じじマルノはオオカミマルノが織っていた布を見てそう叫びマルノ。

じじマルノはオオカミマルノの織った布を急いで市場に持っていきマルノ。
するとすぐさま高い値段で買われ、じじマルノの芝刈り10回分ぐらいのお金が
一度に入りマルノ。
「おおお!!素晴らしいでマルノ〜!ばばマルノにこんな才能があったとは…」
じじマルノは大喜びし、喜び勇んで帰りマルノ。
その途中、突然雪が降り始めマルノ。じじマルノの帰り道には
6体の地蔵マルノがあり、それらはうっすら雪に覆われマルノ。
それを見たじじマルノは哀れに思い、もうけたお金で地蔵マルノのために笠を買って
やりマルノ。ところが、笠屋には笠が5つしか売れ残っておらず、1つ足りなかったでマルノ。
しかたなくじじマルノは自分のはいていたふんどしを残りの地蔵にかぶせてやりマルノ。

……ちなみにその夜、5体の地蔵マルノは米や宝をもってお礼に来たけれど、1体は大量の
馬の糞を持ってお礼参りに来マルノ。


「マハ●クハ●リタ、テク●クマヤ●〜ン!」
謎のマルノが、つるされたばばマルノに怪しげな呪文を唱えると
あら不思議、ばばマルノは馬車になりマルノ。
「な、なんでじゃぁぁ〜〜!!」
「お前を舞踏会に行かせてやるんでマルノ」
「じゃぁ、なんで馬車になりマルノ〜〜!?」
「だから、このワシを舞踏会会場のお城まで乗せて行くんでマルノ」
「そ、そんなバナナ〜(古い)」
そう、その怪しいマルノの正体は魔女マルノだったのでマルノ。
こうしてばばマルノを馬車にして舞踏会へいった魔女マルノは、
お城に着くと王子さマルノのもとへまっすぐ向かいマルノ。
魔女マルノは醜い女だったけれど、魔法で自分を美しく見せていたので
王子さマルノは一目惚れをしてしまいマルノ。
王子さマルノはすぐさま王さマルノに申し出マルノ。
「父上、ワタシはこの人と結婚しマルノ」

その様子を影から見守っていたのは一人の美少女マルノ。
彼女は寂しそうな表情をしマルノ。
――わたしは…王子様と結婚できなければ海の泡になってしまう…――
彼女は、王子に恋をし、自分の声と引き替えに足を手に入れ
地上へ上がった人魚姫マルノだったのでマルノ…

魔女マルノと王子さマルノの婚礼の準備が進められる中、悲しみにくれる
人魚姫マルノは、一人になりたくて屋根裏部屋へ身を隠しマルノ。すると、そこに
ふるぼけたランプが転がっていマルノ。
「コレは何でマルノ…?」
不思議に思ってそれを手に取り、そっと埃を払って服の裾で拭きマルノ。
すると!突然ランプが強く輝き、煙があふれ出し、その中から巨大な龍が姿を現しマルノ。
「さぁ、願いを言え。どんな願いでも可能な限り一つだけ叶えてやろう」
「え…??あ…!?あの…!」

人魚姫マルノは突然ランプから現れた巨大な龍に戸惑いながらも、願いを叶えて
くれると言うのでとっさにこう叫びマルノ。
「あ、あの女性と王子さマルノの結婚を止めさせて欲しいでマルノ!」
「…たやすい願いだ。コレを使うがいい」
巨大な龍は人魚姫マルノに一枚の鏡を渡しマルノ。
「これは…?」
「これはラーの鏡。真の姿を映し出す鏡だ。あの女の正体は醜い魔女、この鏡であの女を
映すがいい。結婚はすぐ取りやめになるだろう」

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