マルノ・カッポン今昔物語・2


じじマルノは馬の糞攻撃をくらったものの米や宝を貰ったので喜びマルノ。
「ばばマルノ、これでワシらも貧乏大脱出でマルノ〜」
「そ、そうでマルノ…良かったでマルノ。(このじじい、オレ様がオオカミマルノだって
気付いてねーのか?なんて鈍いんだ…)」
ふと見ると、宝の箱は大きいつづらと小さいつづらの二つありマルノ。
オオカミマルノは、じじマルノが騙されているのを良いことに宝を奪おうと考えつきマルノ。
「じじマルノ、オレ様…いや、ワタシはこの大きいのが欲しいでマルノ」
じじマルノは優しいじいさんだったので、それを聞いて
「ばばマルノがそう言うなら構わないでマルノ」
と、あっさり大きいつづらをオオカミマルノに譲りマルノ。
「うひょ、やったでマルノ〜♪」
オオカミマルノは速攻でそのふたを開けマルノ。
すると!中から突然煙が拭きだし、その煙を浴びた
オオカミマルノはよぼよぼの年寄りになってしまいマルノ!
「な、なんじゃこりゃぁぁ〜〜!!」
オオカミマルノは思わず立ち上がって叫びマルノ。すると、
じじマルノは突然血相を変えマルノ。
「ぬ!?しっぽがある!?お前、オオカミマルノでマルノ!?」
「今頃気付くなボケェぇ〜!ふがふが…くそっ、覚えてろでマルノ〜!」
哀れなオオカミマルノは捨てぜりふを残して出ていきマルノ。
その際、隠し持っていた“天まで届くほどに育つ豆”を
庭先に落としてしまったことにも気付かずに……。


ランプから現れた、どこかで見たデザインの龍にもらった真の姿を映すというラーの鏡。
人魚姫マルノは急いで結婚式の準備をしている魔女マルノの所へ向かいマルノ。
「あの、これでお化粧の具合を確かめてはいかがでマルノ?」
人魚姫マルノにそう言われて魔女マルノはすっかり罠にかかりマルノ。
「あら、気が利きマルノ」
魔女マルノが鏡を覗き込んだ瞬間、ぼん、と煙が上がり
一瞬にして本来の醜い姿に戻ってしまいマルノ。
「なっ…!お前、わたしを騙していマルノ!?」
王子さマルノは怒り、魔女マルノを捕らえようとしマルノ。
「くっ、捕まってたまるか!」
魔女マルノは急いで窓から飛び立ちマルノ。
その時、手にしていたラーの鏡が落ち、下で待たされていた
馬車にされたばばマルノを映しマルノ!!
「!!」
めでたいことに、ばばマルノは元の姿に戻ることが出来マルノ。

元に戻れたばばマルノはしばらく呆然としていたけれど、
やがて戻れたのだという実感が湧くと、
「ああああ〜!や、やりマルノ〜!!」
感激のあまり立ち上がり、ラーの鏡を高く掲げマルノ。
すると、そこに上からのぞき込んでいた人魚姫マルノの姿が映ってしまいマルノ!
「きゃぁぁ〜でマルノ」
煙が上がり、人魚姫マルノは人魚に戻ってしまいマルノ……。
「なっ!?君は…人魚だったのか…!?」
王子さマルノは数日前突然現れた美しい娘の正体に驚くばかり。
「なんてことでマルノ、これじゃ王子さマルノと結ばれることは出来ないでマルノ!」
人魚姫マルノは、哀しみのあまり窓から飛び出し、近くの海に身を投げマルノ。
とはいえ、人魚になっていたのでえら呼吸可能で、死ななかったでマルノ。
しかし!突然巨大なクジラが現れ、他の魚共々人魚姫マルノを飲み込んでしまいマルノ!!


「ばばマルノは一体どうしたんでマルノ…」
オオカミマルノがばばマルノに化けていたと言うことにようやく気付いた
じじマルノは、ばばマルノの身を案じマルノ。しかし、それでも
生理現象は止められないのでマルノ。
じじマルノは庭にでて、一息つきつつ立ちションをしマルノ。
「ふぅ…」
すっきりしたじじマルノは再び家に入りマルノ。
しかし、じじマルノが立ちションをした場所には、先程オオカミマルノが
落としていった“天に届くほどに育つ豆”があったのでマルノ…
そう、じじマルノは知らずのうちに豆に水をやってしまったのでマルノ。


クジラのお腹の中でしばらく気を失っていた人魚姫マルノ、
気が付くと目の前にヒゲをたくわえた渋いおじさマルノがいマルノ。
「気が付いたようでマルノ…」
「あ、あなたは…」
「ワシはしがない人形職人でマルノ。海にでていたらうっかり飲み込まれてしまいマルノ…」
「ここから抜け出す方法はないのでマルノ!?」
「…こやつがくしゃみでもすればなんとかなるかもしれないが、ワシがここに飲み込まれて
数日、くしゃみなどする気配は全くないでマルノ…」
肩を落としてうなだれる人形職人のおじさマルノ。その様子を見た人魚姫マルノは
なんとしてでもこのおじさマルノを助けてあげたいと思いマルノ。
「やるでマルノ!くじらにくしゃみをさせマルノ!」
人魚姫マルノはおじさマルノに強い口調で言いマルノ。
――でも、どうすればこのクジラにくしゃみをさせることができマルノ…?――
しばらく考えていた人魚姫マルノ、だがやがてぽん、と手を打ちマルノ。
人魚姫マルノは、壁(って言ってもクジラのお腹の中でマルノ)ぎわによると、
いきなり自分の尾で壁をくすぐりだしたのでマルノ!
最初は何も感じていなかった巨大クジラ、しかししつこく繰り返されていると
次第にむずがゆくなってきマルノ。
「グォォォォ〜〜!!」
数分後、クジラはついに大きく息を吸い込んだかと思うと、もの凄いくしゃみをカマしマルノ。
人魚姫マルノも、人形職人のおじさマルノも勢いよく外に飛び出しマルノ。
クジラにくしゃみをさせることに成功した人魚姫マルノとおじさマルノはお城まで
飛ばされマルノ。呆然とする王子さマルノ、ばばマルノ、そして客人一同。
人魚姫マルノは戸惑いマルノ。その上、鱗が乾き始め、息苦しさを覚えマルノ。
「はやく、はやく海に戻らなければ…人魚であるわたしにはもう…」
その時、辺りがまばゆく輝き、神秘的で荘厳なイメージ漂う女神さマルノ現れマルノ。
「人魚姫マルノよ、あなたは人間以上の勇気と知恵を兼ね備えています。よって…あなたを、
人間にしてあげましょう」

女神さマルノの魔法で、人魚姫マルノの尾は見る間に消えてゆき、美しい足(マルノなのに)が
現れマルノ。海底の魔女に頼んで声と引き替えに手に入れた足とは違い、何も犠牲を払うことなく、
永遠に消えない足でマルノ。それを見た王子さマルノは、今まで妹のように思っていた
人魚姫マルノに、急にときめきを覚えマルノ。

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