マルノ・カッポン今昔物語・3

「わたしと、結婚してくれマルノ!」
王子さマルノは人魚姫マルノを抱きしめマルノ。
「お、王子さマルノ…よ、喜んで!」
人魚姫マルノはこんな急な展開にも関わらず、即答でオッケーしマルノ。
しかし、その時人形職人のおじさマルノが叫びマルノ。
「この王子は女遊びばかりしている上に頭も悪い、顔だけのバカ王子でマルノ!!
こんな奴と結婚しても不幸になるだけでマルノ!――それより、ワシの養女になって
欲しいでマルノ…!!」
なんと、王子さマルノとおじさマルノで、人魚姫マルノの
取り合いになってしまいマルノ!
「無礼者!誰かこの男を引っ捕らえマルノ!」
「や、止めて下さい王子さマルノ!」
人魚姫マルノは、一緒にいたのはわずかな時間とはいえ共にピンチを切り抜けた
おじさマルノに対し、父親のような親愛の情を感じていマルノ。王子さマルノが
好きなのは確かであっても、人魚姫マルノの心は揺れマルノ。
その時、ばばマルノが言いマルノ。
「こうするのはどうでマルノ?2人で人魚姫マルノの足(手はないから)を
それぞれ持ち、同時に引っ張りマルノ。最後まで足を離さなかった方に、
人魚姫マルノは付いていくのでマルノ」
「なるほど、それは良いアイディアでマルノ!」
王子さマルノは微笑んで頷き、絶対の自信を見せマルノ。

「では、レディーゴー!!」
ばばマルノの合図と同時に、王子さマルノとおじさマルノは
同時に人魚姫マルノの足を引っ張り始めマルノ。
「あぁぁぁぁぁ〜〜!!さ、さけマルノ〜〜!!」
人魚姫マルノは苦痛に叫び声をあげマルノ。すると…突然、おじさマルノが
人魚姫マルノの足を離したのでマルノ。
「…か、勝ったでマルノ!!わたしの勝ちでマルノ!」
王子さマルノは人魚姫マルノの片足をしっかり握ったまま
歓喜の叫びをあげマルノ。しかし、ばばマルノは静かに言いマルノ。
「この勝負、このおじさマルノの勝ちでマルノ」
「な、何を言ってマルノ!?」
「人魚姫マルノを本当に大事に思っていれば、彼女が痛がればその手を離すものでマルノ。
よって…このおじさマルノこそ、人魚姫マルノを引き取るにふさわしいでマルノ!!」
「く、くっ…」
王子さマルノは負けた悔しさに肩(どこからどこまでが肩なんだ?)
をふるわせマルノ。そして、次の瞬間、
「うわぁぁ〜〜ん!悔しいよぉ、ママ〜〜!!」
「えっ!?」
なんと突然王子さマルノはその端正な顔を崩し、大泣きし始めマルノ。
そして女王さマルノに泣きついたのでマルノ!
「まぁまぁ、可哀想にスネちゃまわたしの可愛い坊や…」
女王さマルノは王子さマルノの頭をなでなで。王子さマルノは女王さマルノに
すりすりしマルノ。その光景に一同は思いっきり引きマルノ。
「こ、こんな人だったなんて…」
人魚姫マルノは百年の恋も冷め、人形職人のおじさマルノに
付いていくことを決定的にしマルノ。


おじさマルノがと人魚姫マルノは、帰る前に
ばばマルノに何度も頭を下げお礼を言いマルノ。
ばばマルノはいい気分に浸りながら家路につきマルノ。
するとビックリ、家の庭先に今までは存在しなかった、巨大な気になる木が
生えていたのでマルノ!
ばばマルノは驚き、急いで家に駆け込みマルノ。
「じじマルノ!!」
「ん?あー、ばばマルノお帰りでマルノ。
一体何処に行ってたんでマルノ?」
のんきなものでじじマルノはお昼寝の最中だったのでマルノ。
「そんなことよりあの木は!庭にあるアレはなんでマルノ!?」
「木…?何のことでマルノ?」
じじマルノは寝ぼけ眼をこすりつつ庭に出マルノ。
「な、なんじゃこりゃぁぁ〜!?」

二人とも庭先にでて、しばらく呆然とそれを眺めていマルノ。しかしそのうち、
木は雲を突き抜けてそびえていることに気付き、2人は気になって
しょうがなくなってしまいマルノ。
「う〜ん、気になるけど怖いでマルノ…誰か見てきてくれんかのう…」
そんなことを言っていると、一匹のサルマルノがウッキウッキと言いながら現れマルノ。
「おふたりさん、このボクちゃんが見てきてあげマルノ」
サルマルノは、じじマルノとばばマルノが見守る中、するすると気になる木に登っていきマルノ。
半分ぐらいまで登ったとき、サルマルノは気になる木に美味しそうな柿の実がなっていることに
気付きマルノ。(豆がどうして柿になるのかというツッコミは無駄でマルノ。“魔法の豆”ってことで
全て片付きマルノ)
「う、美味いでマルノ!」
試しにそれを一口かじったサルマルノはそのあまりの美味さに感動しマルノ。
そして次から次へともいでは夢中で食べ始めマルノ。そしてサルマルノが吐き出した種が、
下で待っていた2人の足元に落ちマルノ。小腹が空いていた2人は、ごくんと唾を飲みマルノ。

「お〜い、サルマルノ〜ワシらにも実を投げてくれんか?」
じじマルノが下から呼びかけマルノ。しかし、サルマルノは無視して食べ続けマルノ。
「サルマルノや〜、ワシらも腹が空いておるのでマルノ〜」
ばばマルノが言うと、サルマルノはまだ青く堅い、熟れていない柿の実をひっつかんで
下へ乱暴に投げマルノ!
「うるさいでマルノ!それでも喰ってろでマルノ!!」
「ぐはぁっ!!」
なんと、堅い柿の実は、運悪くばばマルノの脳天に
直撃してしまいマルノ…。


サルマルノが雲を突き抜けると、そこには巨大な城があり、
鬼マルノ達の巣窟になっていマルノ。
あくどいサルマルノは、鬼達に上手く取り入って仲間に加えて貰いマルノ。
そのころ、サルマルノが投げた青い柿に当たってしまったばばマルノは寝込んでいマルノ。
「よくも、よくもワシの大事なばばマルノを…」
じじマルノの心には、激しい怒りの炎が燃え上がりマルノ。
「仇討ちでマルノ!ばばマルノをこんな目にあわせたサルマルノに
復讐してやりマルノ!!」

じじマルノは、サルマルノを懲らしめるための
仲間を集めるべく、ホームページの掲示板で(時代設定無茶)
呼びかけマルノ。すると、次の日じじマルノの家の前に三人のマルノが立っていマルノ。
人魚姫マルノと人形職人のおじさマルノ、そして人魚姫マルノを人間(?)にしてあげた
女神さマルノでマルノ。
「わたしたちはばばマルノさんにお世話になったのでマルノ。そのばばマルノさんを
酷い目にあわせたサルマルノ、許せないでマルノ!」
人魚姫マルノが言うと、おじさマルノも頷きマルノ。
「わたしも力を貸しマルノ。サルマルノは以前わたくしの下着を盗んだのでマルノ。
奴にはわたしも恨みがありマルノ」
女神さマルノが悔しそうに言いマルノ。意外と俗っぽい女神でマルノ、とじじマルノは
思いマルノ。でも戦力になりそうだし機嫌を損ねられても困るので黙っていマルノ。
こうして四人が打倒サルマルノを誓っているとき、その様子を
こっそり伺っている二つの影がありマルノ……

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